【ウクライナ情勢】よく話題に出るNATO(北大西洋条約機構) どんな組織か徹底解説

兵士

2月24日、ロシアがウクライナに侵攻しました。戦闘はまだ続いています。

ウクライナ情勢の報道がされる際、NATO(北大西洋条約機構)という組織がよく出てきます。

アメリカやドイツなどとともにロシアを非難する声明を出したり、今回の侵攻について会議も開いていました。

学校の教科書で出てきますが、詳しく教わった人は少ないのではないでしょうか。

どんな組織なのか、どんな国が加盟しているのか、日本との関係はどうなのかなど疑問点が多いと思います。

今日は、そんなNATO(北大西洋条約機構)について徹底解説していきます!

参考・出典先→NATO(北大西洋条約機構)HP

外務省HP

もっと詳しく知りたい方はこちら→外務省HP(NATO概要)

目次

NATO(北大西洋条約機構)とはどんな組織?

引用:https://www.nato.int

NATOの正式名称は英語で「North Atlantic Treaty Organization」、それぞれの頭文字を取ってNATOと呼ばれています。

日本ではNATO若しくは北大西洋条約機構と呼ばれています。ヨーロッパや北米の国が加盟している軍事同盟です。

北大西洋周辺の国が多いため、北大西洋同盟とも呼ばれます。

NATOは1949年(昭和24年)に調印された北大西洋条約の執行機関です。

加盟国は域内の国が攻撃された際、集団的自衛権を行使し、共同で対処することができます。

本部はベルギーのブリュッセルのエヴェレにあり、連合軍最高司令部はベルギーのモンス近郊にあります。

結成当初は、ソ連(ソビエト社会主義共和国連邦)を中心とした東側諸国に対抗するための西側諸国の多国間軍事同盟でした。

また、ヨーロッパを長年悩ませてきたドイツを封じ込める策の1つでもありました。

初代事務総長ヘイスティングス・イスメイは「アメリカを引き込み、ロシアを締め出し、ドイツを抑え込む」という有名な言葉を発しています。

一方でソ連などの東側諸国はワルシャワ条約機構(WTO)を発足させ、ヨーロッパは2つの軍事同盟によって東西に分けられました。

NATO発足によって、アメリカとヨーロッパの結びつきが強くなり、冷戦期にはアメリカ製武器や中距離弾道ミサイルがヨーロッパに運ばれました。

NATOは冷戦期間中、実戦経験はありませんでした。

冷戦終結後は、ソ連の影響圏に置かれていた東側諸国が続々と加盟申請を行いました。バルト三国を除く旧ソ連各国を残し、他の国はすべてNATOに加盟しています。

また、1999年(平成11年)にはNATO初の軍事行動となったコソボ紛争に参加し、空爆を行っています。

2000年代に入ると、対テロ戦争に主眼が置かれアフガニスタン攻撃を行いました。(共同組織としては行動していない)

ウクライナやジョージアがNATO加盟を目指していますが、ロシアが断固阻止する構えを見せており、2010年代に入るとクリミア危機やウクライナ東部紛争が起こりました。

今回のウクライナ侵攻も、ウクライナがNATO加盟を求めていたため起こった紛争の1つです。

NATOの組織構成

ストルテンベルグ事務総長 引用:https://www.sankei.com/article/20210818-QYLYGUKUWRK6PPRSJSMIKWPTUM/

NATOには中央機構は存在せず、各加盟国の政府それぞれが盟主という扱いになっています。

各国政府の権利は平等であり、議案は北大西洋理事会(NAC)において全会一致で承認・決定されます。

多数決の制度は採用されていません。

各加盟国の代表で週1回行われる「常設理事会」慣例上年2回行われる外相・国防省など閣僚クラスの理事会臨時で行われる首脳会合などで議論が行われます。

NATOの最高責任者は事務総長で、現在の事務総長はノルウェーのイェンス・ストルテンベルグ氏です。

事務総長にはヨーロッパの政治家が就任しており、加盟国各国間の調整や職員の統率が主な業務内容となっています。

加盟国

加盟国は30カ国。(太字は原加盟国)

加盟国の軍事費は世界全体の約70%以上を占めています。

  • アイスランド
  • アメリカ合衆国
  • イタリア
  • イギリス
  • オランダ
  • カナダ
  • デンマーク
  • ノルウェー
  • フランス
  • ベルギー
  • ポルトガル
  • ルクセンブルク
  • ギリシャ
  • トルコ
  • ドイツ
  • スペイン
  • チェコ
  • ハンガリー
  • ポーランド
  • エストニア
  • スロバキア
  • スロベニア
  • ブルガリア
  • ラトビア
  • リトアニア
  • ルーマニア
  • アルバニア
  • クロアチア
  • モンテネグロ
  • 北マケドニア

主な活動内容は?

NATOは「集団防衛」、「危機管理」、「協調的安全保障」の3つを中心任務としています。

加盟国の領土と国民を防衛することを目的としているため、主な活動内容は軍事活動です。

軍事活動と言ってもただ防衛するだけでなく、平和維持活動新しく設立した軍隊の訓練防衛のために必要な攻撃などもします。

NATOが介入した紛争はボスニア・ヘルツェゴビナ紛争、コソボ紛争、マケドニア紛争、アフガニスタン紛争、リビア内戦(2011年)です。

日本との関係

日本はNATOに加盟していません。日本は「グローバル・パートナー国」に位置づけられています。

加盟はしていませんが、小銃にNATO弾が使用されていたりと武器はNATOと同規格のものが多いです。

また、NATO事務総長が訪日したり、安倍元首相がNATO本部を訪問したりとNATO加盟国とは地理的に離れていますが、交流は活発に行われています。

ベルギーの首都ブリュッセルにある日本大使館には、2018年にNATO日本政府代表部が開設されました。

まとめ

ロシアのウクライナ侵攻により、NATOの存在意義が高まりました。

しかし、ウクライナに派兵を行わないと発表し影響力が疑われています。

第二次世界大戦後に結成されたNATOは、長期に渡って世界の平和維持に努めてきました。

今後、NATOがロシアやウクライナにどのような対応をしていくのか注目が集まっています。

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