みなさんが普段使っている「お金」。その「お金」の紙幣デザインが刷新されます。
デザインが刷新されるのは1万円札、5千円札、1千円札の3種類です。
今日は、その中の1万円札の歴史についてまとめました。
ぜひご覧ください!(五千円札の記事)
※注‥一部の項目では、「札」ではなく「券」と記述していますが、意味は同じです。
目次
発行された背景
第二次世界大戦が終わると日本はインフレーションになりました。
インフレーションにより、日常的に使われていた通貨単位が「銭」から「円」に変化します。
さらに、国家予算レベルであった万の単位が商取引レベルで登場したため、1万円札の発行が決まりました。

C一万円券 聖徳太子 1958年(昭和33年)12月1日発行

一番最初に発行されたのはC一万円券です。
1958年(昭和33年)に発行され、表面の肖像には聖徳太子、裏面には鳳凰が選ばれました。
高額紙幣に対する不満や、不安はありましたが、発行された時期が高度経済成長期であり、日本経済の発展とともに順調に流通していきました。
製造原価は11円27銭。透かしは法隆寺夢殿の図柄。
現在は、発行されておらず、流通数も少なくなってきています。
D一万円券 福沢諭吉 1984年(昭和59年)11月1日発行

C一万円券の次に発行されたのが、D一万円券です。
C一万円券が発行されてから20年が経ち、精巧な偽造券(偽札)が散見されるようになったことから発行されました。
表面の肖像が福澤諭吉に、裏面は雉に変わっています。
同日にD五千円券、D千円券も改刷されました。
3つの紙幣が同日に改刷されるのは第二次世界大戦以降初めてのことです。
ATMや両替機、自動販売機などに使用することも考えられて改刷が行われました。
透かしは、肖像と同じ福澤諭吉。
D一万円券は、偽造防止力向上、製造者の組織変更の理由で、4タイプに分かれています。
現在は、発行していません。
E一万円券 福沢諭吉 2004年(平成16年)11月1日発行

現在、最も流通しているのが2004年発行のE一万円券。
みなさんの手元にある1万円札はこれではないでしょうか?
D一万円券は発行から20年経過し、2002年頃から偽札の発見が急増しました。
1990年末期頃から諸外国では最新の偽造防止技術が盛り込まれた新紙幣が登場しています。
そんな中、新たなE一万円券、E五千円券、E千円券が同時に改刷されました。
表面の肖像は福澤諭吉のままです。しかし、輪郭や地模様は全く新たなデザインとなっており、裏面は平等院鳳凰堂の国宝・鳳凰像が描かれています。
E一万円券では、「すき入れバーパターン」と「ホログラム」が採用されました。
表面と裏面には「ニ」「ホ」「ン」の片仮名がシークレットマークとして入っており、ホログラムの上下にも「日」「本」のも字が刻まれています。
透かしは福澤諭吉。また、記番号の組み合わせが枯渇したため、記番号の色が2011年から変わっています。(黒色→褐色)
※記番号とは、お札の表面の左上と右下にあるアルファベットと数字の組み合わせのこと。

右下と左下のL字・逆L字の識別マークはインクを盛り上げて凸凹を感じられるようになっていますので、触ってみてください。
F一万円券? 渋沢栄一 2024年上半期改刷予定


最後に2024年上半期から改刷される新1万円札を見ていきます。
技術抵抗力の強化、ユニバーサルデザインへの対応などを目的とし、五千円券、千円券も同時に改刷されます。
表面の肖像は実業家・渋沢栄一。裏面は2012年に復元されたJR東京駅丸の内駅舎。
日本紙幣において、民間企業が管理運営する営利施設をデザインにするのは初めてです。
漢数字で額面が書かれていた箇所にアラビア文字が描かれ、漢数字の額面は左上に描かれています。
記番号も9桁から10桁に変更されました。
公表されている偽造防止技術は、高精細すき入れ模様、ストライプタイプのホログラムで、この2つの技術が導入される予定です。
ホログラムは3Dホログラムで見る角度によって変化します。この3Dホログラムの採用は世界初です。
製造は2021年9月1日より始まっています。
まとめ
1万円札の歴史、どうだったでしょうか?
時代が、変わると同時に日本のお金も変わっていきます。
筆者は、生まれたときから福澤諭吉の1万円札だったので、聖徳太子の1万円札を見たことがありません。
製造されていないため流通量は少ないですが、いつか見てみたいなと思っています。
五千円札、千円札も改刷されるので、それぞれの歴史の記事も書いていこうと思います。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
独立行政法人 造幣局HP→https://www.mint.go.jp
日本銀行HP→https://www.boj.or.jp
独立行政法人 国立印刷局HP→https://www.npb.go.jp/index.html
コメントを残す