こんにちは。
今日は、今話題になっているオリンピックボイコット騒動についてです。
アメリカのバイデン政権が、2022年に中国・北京で行われる冬季五輪について「ボイコット」を検討していることがわかりました。
過去に2回、オリンピックボイコットは起きていますが、今回は「外交的ボイコット」と呼ばれ、過去2回とは違う形が予想されています。
今日は過去2回のボイコットについて、違いなどを見ていきましょう。
【速報!】アメリカが北京冬季オリンピックの「外交的ボイコット」を決定!アメリカ以外にもボイコットとする国現る!
目次
今回のボイコット騒動
まずなぜ今回、オリンピックボイコットの可能性が出たのか見ていきましょう。

中国の人権侵害に抗議する形か
今、アメリカやEU、イギリス、カナダなどが中国の人権侵害を激しく非難しています。
中国の人権侵害とは、中国に住む少数民族ウイグル族、カザフ族などに対する集団拘束や拷問、監視のことです。
ある国際人権団体は中国政府の罪を報告書にまとめ、国連に提出し、調査を要求しました。
これに対して中国政府は否定しています。人権侵害ではなく、職業訓練や過激思想を解いたりしていると発表。
ますます謎は深まるばかりです。
今回の「外交的ボイコット」は人権侵害に抗議する形だと思われます。
参考に下記の動画を見てみてください。
「外交的ボイコット」とは?
今回のボイコットは「外交的ボイコット」ではないかとも言われています。
「外交的ボイコット」とは、政府高官や使節団らの派遣を見送る動きのこと。
政府関係者は出席しませんが、選手の出場は可能です。
アメリカ政府は選手の出場は妨げず、中国に抗議する形を取ると思われます。
各国の動き
各国の動きはどうでしょうか?
ロシア
オリンピック開会式にプーチン大統領が出席する計画があると発表。
イギリス
NSC(国家安全保障会議)で対応検討中。
ドイツ
「外交ボイコット」の是非を検討する方針。中国に対する人権侵害抗議は消極的。
EU
政府代表らの式典招待を断るよう加盟国に求める決議を7月の欧州議会で採択。
日本
岸田首相は「日本は日本の立場」と語り、これから議論・判断する見通し。
1980年 モスクワオリンピック
オリンピックボイコットは過去に2回ありました。
まずは1回目のボイコットである、モスクワオリンピックを紹介します。

なぜボイコットは起きたのか?
1980年にソビエト連邦(現:ロシア連邦)のモスクワで開催されたオリンピックは共産圏・社会主義国で初めての開催となりました。
大いに盛り上がる一大イベントでしたが、アメリカ、日本などの選手団はいませんでした。
1979年12月に起きたソ連のアフガニスタン侵攻に抗議する形でアメリカを筆頭とする西側諸国は集団ボイコットを決めたからです。
オリンピックは無事開催され東側諸国のメダルラッシュになりました。
自国開催のソ連は金メダルを80個獲得。これは1984年ロサンゼルスオリンピックでのアメリカの83個に次いで2番目の記録となっています。
ボイコットした国々はオリンピックに対抗した競技大会を準備し『リバティ・ベル・クラシック』という名前で開催しました。
主な参加国は?
東側諸国を中心に80の国と地域が参加しました。主な参加国として、ソ連、東ドイツ、ブルガリア、キューバ等が挙げられます。
イギリスやフランス、イタリア、オーストラリアなど数は少ないですが、西側諸国も参加しており、西側諸国すべての国が参加しなかったわけではありませんでした。
社会主義国家として成立した中国は、1960年代以降からソ連との関係が悪化しており、オリンピックには参加しませんでした。
日本は?
1979年からモスクワオリンピックのCMが放送され、大々的に宣伝されていました。
しかし1980年2月、アメリカから西側諸国にボイコットの要請があり、日本政府は大会ボイコットの方針を固めました。
1980年6月11日、JOC常任委員会がモスクワオリンピック選手団、同時に大会への不参加を承認。予め決定していた選手団は、オリンピックに参加できなくなり「幻のメンバー」と呼ばれています。
現在のJOC会長の山下泰裕も「幻のメンバー」の一人でした。
(JOC…日本オリンピック委員会)
1984年 ロサンゼルスオリンピック
前回のボイコットに続き1984年のロサンゼルスオリンピックでもボイコットが発生。
2大会連続でのボイコットが起こりました。

なぜボイコットは起きたのか?
ソ連で行われたモスクワオリンピックの次のオリンピックの開催地は、対立していたアメリカでした。
モスクワオリンピックボイコットの報復として、ソ連を始めとする東側諸国はボイコットを決定、大会不参加の形を取りました。
表向きの理由は、1983年のアメリカのグレナダ侵攻に対する抗議でした。
主な参加国は?
参加国はアメリカ、西ドイツ、イタリア、カナダ、日本、韓国など西側諸国が中心でした。モスクワオリンピックをボイコットした国・地域の大半が参加しました。
ユーゴスラビア、ルーマニアはモスクワ、ロサンゼルスの両大会に出場しています。
モスクワオリンピックをボイコットした社会主義国の中国は、この頃アメリカと接近していたためロサンゼルスオリンピックに参加しました。
次のオリンピックはどうなったのか?
ロサンゼルスの次は韓国の首都・ソウルでオリンピックは開催されました。
ソウルオリンピックにはアメリカ、ソ連の超大国が12年ぶりに揃って参加し、白熱した試合が繰り広げられた。
西側諸国、東側諸国も揃いほぼ全世界の国・地域が参加したオリンピックになりました。
参加しなかったのは北朝鮮、アルバニアなどの7カ国のみ。
この大会が「ソ連」として参加した最後の夏季オリンピックになりました。
まとめ
今日は過去2回起きたボイコットを中心にまとめました。
モスクワ、ロサンゼルスでのボイコットは選手も巻き込む「国」単位のボイコットでした。
今、話題になっているのは「外交的ボイコット」なので「政府」単位のボイコットになりそうです。
過去2回のボイコットでは多くの選手が涙を流し、活躍の機会が失われてしまいました。
2022年の北京冬季オリンピックではそのようなことが起こらないでほしいです。
頑張ってきた人を政治の都合で巻き込むのは止めましょう。
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