こんにちは。
前々回の記事でアメリカ政府が2022年に中国の北京で行われる冬季オリンピックの「外交的ボイコット」を検討しているという記事を書きました。
(前々回⇨バイデン米政権 2022年開催の北京五輪ボイコットか? 過去行われたボイコットまとめ)。
今日はボイコットを決めたアメリカ、オリンピック開催国中国の反応、日本の対応をまとめます。
そして、アメリカに続く2例目の「外交的ボイコット」を発表したオーストラリアについても見ていきます。

目次
アメリカ政府の発表
ホワイトハウスのジョン・サキ報道官は12月6日、2022年に開かれる北京冬季オリンピックに政府代表団を派遣しないことを表明。
「外交的ボイコット」を正式に発表した。

人権侵害問題を無視できないアメリカ
アメリカが「外交的ボイコット」を決定した理由は、中国の人権侵害問題です。
「中国が新疆でひどい人権侵害と残虐行為を実施しているのに、アメリカの外交や政府の代表は何事もなかったかのように今度の大会に対応するなど、そんな事は決してできない」とサキ報道官は述べました。
アメリカなりの正義ですね。
政府代表団を派遣しないことで、アメリカ政府として人権侵害問題に抗議するものだと思われます。
選手団はどうなる?
この北京オリンピックに向け厳しい練習をしてきた選手たちはどうなるのか?
ホワイトハウスはアメリカ選手の出場は可能だとし、支援すると述べました。
選手は参加ができるので、過去2回起きたボイコットのようにはなりませんでした。
中国は「外交的ボイコット」に反論を発表

ボイコットに対して中国政府は反論
中国政府はアメリカの「外交的ボイコット」に反論。
中国の外務省報道官は「アメリカは誤った行為に代償を支払うことになる」と警告しました。
12月7日の定例会見では、「両国の重要分野の対話と協力に悪影響が出る可能性がある」と指摘しました。
また、ボイコットに対して「断固とした対抗措置」を取ると表明もしています。
中国政府は人権侵害問題はないと反論している
アメリカがボイコットの理由に挙げた「人権侵害問題」に対して、在米中国大使館は「政治的ごまかしだ」と非難しています。
しかし、アメリカやイギリス、EU、国連は中国の人権侵害問題を一年以上前から問題視してきました。
これに対し中国政府は、新疆地区で人権侵害はないと主張しています。
人権侵害はないと主張していますが、詳しい情報は公開されていません。各国の独立した調査団の受け入れも拒んでいる状況です。
オーストラリア政府も「外交的ボイコット」を発表
12月8日、オーストラリアのモリソン首相は中国の人権侵害を理由に、2022年の北京冬季オリンピックに政府関係者を派遣しないことを明らかにしました。
アメリカに続いて2例目の「外交的ボイコット」になります。

ボイコットの理由はやはり人権侵害問題
オーストラリアも「外交的ボイコット」の理由として、中国の人権侵害問題を挙げました。
同盟国アメリカと歩調を合わせた形になりましたが、現在のオーストラリアと中国の関係は冷え込んでいます。
今、世界で流行しているコロナウイルス。この発生源を特定するため、モリソン首相は独立した調査の実施を主張しました。
これに対し中国政府が反発。農産物から石炭まで、多分野に及ぶオーストラリア産品の輸入を凍結し、報復措置を取りました。
このことから、オーストラリアと中国の関係は冷めていました。
冷え込んでいる関係も今回の「外交的ボイコット」を後押ししたのではないでしょうか?
選手団はどうなる?
オーストラリア政府は、選手団の参加の有無をまだ表明していません。
しかし、同盟国であるアメリカが自国選手の出場を可能としているので、オーストラリアも同じ行動が取られると思われます。
ボイコット発表を受けて日本の対応は?
今年誕生した岸田首相は大きな正念場を迎えています。
日本政府は日中関係の改善か、人権侵害問題に対する抗議かで難しい対応が取られています。

「国益の観点から自ら判断していきたい」と岸田首相
岸田首相は、12月7日官邸で記者団に対し、「オリンピックの意義、わが国の外交にとっての意義などを総合的に勘案し、国益の観点から自ら判断していきたい」と述べました。
アメリカからボイコットの要請はなく、事前に通知を受けたのみでした。
モスクワオリンピックのときのボイコットとは違う形になりそうです。
東京オリンピックには来てくれた中国政府関係者
今年行われた東京オリンピック開会式には中国の国家体育総局長が出席しています。
コロナウイルスが蔓延していたので、習近平国家主席の出席はなりませんでしたが、中国政府関係者が来てくれました。
政府内では、この出席に対する返礼で室伏広治スポーツ庁長官や、日本オリンピック委員会の山下泰裕会長を派遣する声も出ています。
まとめ
今日はアメリカが発表した「外交的ボイコット」を始め、オリンピック開催国の中国の反応、日本の対応、オーストラリアのボイコットをまとめました。
北京冬季オリンピックは2月から始まります。あと3ヶ月弱です。
イギリスやフランス、カナダなど各国の対応も気になります。
そして日本政府はどう対応するのか、これからの政府の動向に注目です。
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